食べることは健康の基本ですが、噛む力は年齢と共に弱まる傾向にあります。ただ噛む力が衰えても、工夫次第で無理なく美味しく食べることはできます。今回は、いつまでも食を楽しめる方法についてご紹介します。
以前と比べて次のようなことが増えていたら、噛む力が弱まっているのかもしれません。思いあたることはないか、確認してみましょう。
当てはまるものが多いほど、お口のトラブルが始まっていると考えられます。必要に応じて食事に配慮したいものです。
噛む力が弱まってくると、食べにくいものは誤嚥の原因となります。できるだけ食べやすいものを選びましょう。
噛む力が弱ってきたら、料理にひと手間加えることで飲み込みやすくなります。
とろみをつける際は、片栗粉、くず粉などを使って調整してください。ゼラチンは口の中の体温によってやっと溶けるものなので、誤嚥防止のとろみづけには向いていません。
噛む力が弱ってきたからといって、噛まなくていいものばかり食べていると噛む力がさらに低下し、やわらかいものしか食べられなくなる心配があります。まずは、嚙み合わせや歯・歯茎などにトラブルがないか歯科で確認し、治療できるところは治すことが大切です。今よりも噛める状態になれば、食べられるものも増え、栄養も摂りやすくなります。
噛む力を十分に発揮するには、食べる際の姿勢にも気を配りたいもの。首はまっすぐでなく、少し前に曲げた状態の方が飲み込みやすいといわれています。ご自分でいろいろな角度で試し、もっとも飲み込みやすい姿勢で、毎日の食事をお楽しみください。