文書作成日:2017/09/20


 今回は相談事例を通じて、遺産分割協議書の作成や遺産分割の効力についてご紹介します。



 亡父の財産について遺産分割をしたいと考えています。相続人は私と母、姉の3人ですが、姉が遠方に住んでおり、なかなか会うことができません。遺産分割協議は、全員集まって行わなければならないのですか? 遺産分割協議書を郵送でやり取りできれば楽なのですが。
 また、父は母とは再婚のようで、遺産分割の後で他にも相続人のいることが判明した場合、すでに完了した遺産分割は無効になりますか?




 まず、遺産分割は相続人全員で行わなければなりませんが、一同に会して協議する必要はありません。次に、遺産分割協議成立後に新たに相続人が判明した場合については、以下の詳細解説で2つの場合に分けて考えます。




 遺産分割協議書は持ち回りによる作成でも構いませんし、あらかじめ相続人の一人が作成した分割案を他の相続人に送り、署名・捺印をして返送していただく方法でも可能です。その場合には、他の相続人に遺産分割の内容が正しく伝わっており、熟知したうえで回答される必要があります。

 ちなみに、法律的には、遺産分割は共同相続人全員の合意によってしなければならないというだけで、必ず遺産分割協議書を作成しなければならないものではありません。ですが、銀行手続や登記手続では書面が要求されますし、後日の紛争防止の観点からも作成しておいた方がよいでしょう。

  次に、遺産分割協議成立後に新たに相続人が判明した場合について、2つの場合に分けて考えます。
 1つ目は、被相続人に隠し子がいた、など、すでに相続人であったものが後から判明した場合です。
 この場合には、判例も「遺産分割は無効である」との立場をとっておりますので、相続人には遺産分割のやり直しを求める権利があります。
 2つ目は、死後認知、遺言認知など認知によって後から相続人となった場合です。
 この場合には、民法第910条が適用され、認知によって相続人となったものは価額請求権(自己の相続分に応じた金銭の支払いを求める権利)のみを取得することとなりますので、遺産分割をやり直す必要はありません。
 相続人はお父様(被相続人)の出生から死亡までの戸籍で判明しますので、遺産分割協議の成立が無効とならないように、協議前に調べておくのがよいでしょう。



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