文書作成日:2018/01/20


 今回は相談事例を通じて、相続人に未成年者がいる場合の遺産分割についてご紹介します。



 最近、私の夫が亡くなりました。私達には子供が2人いますが、夫は若くして亡くなり、2人とも未成年です。夫の相続人になるのは私と子供達だと思いますが、どうすればよいでしょうか。なお、遺言書はありません。




 遺言がない相続は、遺産分割により財産を承継します。相続人に未成年者がいる場合でも、その未成年者を除いて遺産分割協議ができる訳ではありません。未成年者に代わり遺産分割協議に参加する代理人を選任する必要があります。




 未成年者を代理するのは、本来は法定代理人である親ですが、今回のように親も子供と一緒に相続人となる場合、子供の代理人にはなれません。自分と協議する相手の代理人となることは、【利益相反行為】と言います。
 利益相反行為とは、一方にとってプラスになることが他方にとってマイナスになるという関係を意味し、利益相反行為は法律で禁じられています。親子のような法定代理でも同様です。諸説ありますが、利益相反行為といえるかどうかは形式的に判断されますので、遺産分割において、たとえ子に有利な内容にする場合であっても、形式的に利益相反となるので子を代理して協議をすることはできません。

 したがって、未成年者を代理するものとして「特別代理人」を選任することになります。

(民法826条)
第1項
親権を行なう父又は母とその子との利益が相反する行為については、親権を行なう者は、その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。

第2項
親権を行なう者が数人の子に対して親権を行なう場合において、その一人と他の子との利益が相反する行為については、親権を行なう者は、その一方のために特別代理人を選任する事を家庭裁判所に請求しなければならない。

 この特別代理人が未成年者の代わりに遺産分割協議を行います。今回のように利益相反する子が2人いる場合には、それぞれ別の特別代理人を選任する必要があります。

 特別代理人の選任は家庭裁判所で行います。全体として相続手続きが複雑になる可能性がありますので、相続人に未成年者がいる場合には、一度、専門家に相談なさることをお勧めします。


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